こんにちは!
 今年の冬は大変寒さが厳しいですね。インフルエンザやウイルス性胃腸炎なども非常に流行していると聞いていますが、皆様元気にお過ごしでしょうか?だけどこの寒さももうすぐ終わりですね。新芽が花を咲かせる準備を始めていたり、日が長くなったりと、確実に春の足音が聞こえてきています。
 春の訪れは大変嬉しいものですが、季節の変わり目は環境の変化に伴い、お肌にトラブルが現れやすくなる時期でもあります。今回は季節の変わり目のハーブやアロマを使ったスキンケアについて書いてみたいと思います。

 私たちの体の表面を覆っている皮膚は生体と外界の境界です。外界に変化が起きれば、それに伴い体の中も変化し、境界である皮膚にも変化は起こります。皮膚は変化することにより外部刺激に対して通常より敏感になっているのです。
 たとえば、通常であれば問題なく使っていた化粧品や石鹸に対して、肌荒れが起こったり炎症が観察されたりするのも季節の変わり目にはよくあることです。アレルギー反応も季節の変わり目ではより顕著に現れることが確認されています。

 かゆみのもとであるヒスタミンやそれを分泌するマスト細胞の数が、 季節の変わり目で増えることが確認されました。

 このように季節の変わり目は、気温・湿度が変化することで、皮膚の状態が不安定になってしまうのですが、現代社会ではこの環境変化が激しいと言われています。都市化による温度変化は環境問題の観点からもよく語られていますが、湿度の方も大きな変化、特に乾燥化が進んでいることは留意すべきことと思います。

 

さて、この季節の変わり目にはどのようなお肌のケアをすればいいのでしょうか。
敏感になっている季節の変わり目にこそ、優しいハーブやアロマテラピーを使ったケアがおすすめなのです。

 まずしっかりと水分補給をするために、ハイドロゾル(芳香蒸留水、フローラルウォーター)を化粧水代わりにたっぷり使います。季節の変わり目におすすめのハイドロゾルは、カモミール、ラベンダー、メリッサです。

  コットンにたっぷりと含ませて、お顔~首~デコルテにかけてしっかりと塗布しましょう。
グリセリンがあれば少し加えてもOKです。季節の変わり目はお肌が敏感になっているので、精油はいれなくてもよいでしょう。ハイドロゾルが入手しにくい場合はハーブティーでもOK。飲み残したハーブティーに少しグリセリンを入れて、化粧水代わりに使います。このときのハーブティーもカモミールやラベンダー、レモンバームなどがお勧めです。

 

 次に、水分を保持するためにクリームを塗りますが、季節の変わり目の敏感な時期にはクリームに使われている乳化剤などが刺激に感じることもあります。
 そういうときは無理にクリームを使わず、新鮮な植物油のみでもOKです。 保湿作用の高いホホバオイル、皮膚への浸透が早く栄養分たっぷりのアボカドオイル、皮脂成分に近いマカダミアナッツオイルなどがお勧めです。

  このとき、オイルを過剰につけすぎるのはかえってお肌に負担をかけてしまいますので、べたつきが気にならない程度にするのがポイントです。オイルを塗布するだけではなく、マッサージをすると尚よいですね。
 どうしてもクリームをつけたいという場合は、季節の変わり目こそ手づくりクリームがお勧めです。

 

■クリームレシピ■

〔材料〕

シアバター 5g

ホホバオイル

 10g

植物性乳化ワックス

2g
精製水 15g

〔作り方〕

  1. シアバター、ホホバオイル、乳化ワックスを湯煎で全て溶かし60度くらいに温めた精製水とよく混ぜます。
  2. 室温まで冷えたら出来上がり。
  3. お好みで精油を2~3滴入れます。

 

 お肌が安定しているときは市販のものでも大丈夫だけど、季節の変わり目は何をつけても荒れてしまう・・・という人は、ぜひ手づくりクリームでケアしてくださいね

 季節が本格的に春になれば環境やお肌は安定してきますが、今度は紫外線の季節が到来します。きれいで健やかなお肌を保つためには年中油断できませんね。
 季節季節に合わせて、上手にハーブやアロマテラピーを利用できるようになると、楽しみながらスキンケアできると思います。
また機会があれば、そのための情報をお届けしていきたいと思います。


〔文章〕

山本 真理

緑と香りの学校Tiara主宰。
NPO法人日本ハーブ振興協会PIH

 

国立京都工芸繊維大学工学部卒業。
卒業後企業の研究室に勤務。
父の仕事の関係で、幼い頃から自然(特に植物)に触れる機会が多かったため、植物の中の有効成分を科学的に勉強し始めたのがアロマテラピーを知ったきっかけになる。
その後、フランスの化粧品会社のエステサロンに8年間勤務しマッサージの技術や身体、皮膚のケアの方法を習得し、自然の植物からとれる精油やハーブを取り入れた自然療法との組み合わせを試みる。
現在は、各地でハーブやアロマテラピーのセミナーを開催し、講師活動をしながら福祉施設や 病院でのボランティア活動をとおしてアロ マ・ハーブの普及に努めている。大阪市内 のクリニックではセラピストとして活動。