セミナーレポート

8月12日に大阪の大阪市中央公会堂で開催された
ブラッシュアップセミナー「第1回 どこでもできる!ハンドマッサージ」をお伝えします。
わかりやすい解説と実演でとても盛況に開催されました。
セミナーでは使用する精油の説明や参加者にペアを組んでいただき
互いにマッサージする実技指導もありましたが、誌面では基本的な手技についてお伝えします。

   
 

 「心の癒しのため、美容のため、健康のために、アロマテラピーマッサージは生活のいろいろな場面で利用できます。あん摩や指圧マッサージとは違い、いたわるような優しいタッチで行っていきます。100%天然精油の香りに包まれて、幸福感を味わいながら受けることができるアロマテラピーマッサージ。そんな素敵なアロマテラピーマッサージの方法を学びましょう。」

 今日学ぶハンドのマッサージはベッドがいりません。オイルとタオルがあれば行える一番手軽なマッサージです。向かい合って行いますので反応が見やすいという利点もあります。フットマッサージになるとうつ伏せになったり仰向けになったりして施術する側と受ける側で表情が見えなくなってしまいます。マッサージを行いながら会話を楽しんで心の距離を縮めましょう。ハンドマッサージをマスターすると、イベントに参加するとかボランティア活動での活用も可能です。今回しっかり学んでお家に帰られましたら家族の方とかお友達にしてあげてください。

   
 

 ベッドがいらないということですが、最低限の準備は要ります。

「室内の温度を素肌で快適な温度に前もって設定する。」
普通マッサージの場合は全部脱いでしまいますので、室温は25度が適温といわれています。ハンドマッサージの場合は肘から下だけですので20度から25度の間で設定していただければよいと思います。

「室内の浄化を心がける」
これはマッサージに限らずお部屋はきれいにしていてください。きたないところでマッサージを受けると気分も半減してしまいます。

「ベッドメイキングや施術に必要な基材等を準備する」
今日のハンドマッサージではスイートアーモンドオイルを用意しました。初めてお使いになる方にお奨めです。値段が安くて酸化安定性も比較的高いです。保管状況がよければ8〜10ヶ月は持ちます。オールマイティーで老若男女を問わず使用できます。肌質も選びません。有効成分もたくさん入っています。タオルは一枚あれば十分で、終わった後のベトツキをとったり、服を汚さないようにひざの上にかけて行うことにも利用できます。バスタオルではなくてもフェイスタオルでけっこうです。

「施術の前後は手を洗う」
汚れた手で相手を触るのは良くないですね。

「爪が伸びていないこと」
必ず守ってください。マッサージをお仕事にする人はネイルを中々楽しめません。私もエステをしていましたのでネイルをしたくてもできませんでした。マッサージをする人は自分から見て爪が指から出ていないのが大前提です。爪の手入れは爪が短いことが原則ですが爪切りの使用はあんまり良くありません。ヤスリで一方向に削っていきます。そうするときれいに削れます。お客様の肌に触れますので必ず爪の摩擦が感じられないようにしてください。爪切りだと角ができやすくなるので注意してください。ある程度長さを揃えたら後はヤスリで揃えるということを徹底されると良いかと思います。

「手が荒れていないこと」
たまに友達や家族にマッサージするというぐらいなら良いのですが、仕事でする場合、例えばゴルフやテニスも私は一切禁止されていました。マメができるという理由で自転車、庭いじり、土いじりもダメでした。ささくれもお客様の肌に敏感に感じてしまいます。マッサージを頻繁に行う方は、手荒れに繋がることはなるべく控えて、行いたい場合は手袋をはめる等の工夫をしてください。

「手の温度は皮膚温にあわせること」
冷たい手で急に触られるとびっくりしてしまいます。マッサージの前には手をこすり合わせるなどしてなるべく温めてください。

「息がかからないこと」
今日のハンドマッサージでは特に大丈夫ですが、全身マッサージ(特に背中やデコルテ部分)やフェイシャルのときは必ずマスクをします。息がかからないようにするためです。
ここまでが最低限の準備です。

 


ホームページ:http://www.therapy-tiara.com/

 

 
 
@エフルラージュ

 ストロークとか軽擦ともいいます。私は軽擦という言葉をよく使います。

「日本の指圧の軽擦法に近い動きである。手のひら全体を使ってゆったりとした一定のリズムでやさしくなでるように大きく手を滑らせる」

 エフルラージュを気持ちよくするコツは密着を心がけることです。手首の手根から中指までつくところは全部つけます。カーブや入り難いところもありますができる限り自分の手のひらの面積がたくさん付くようにした方が、相手が気持ちよく感じてくれます。エフルラージュはどんなマッサージでも行います。例えば痩身のマッサージやリンパトレナージュでも軽擦は最初に行います。これだけでも上手に行えば眠りを誘うことができます。

エフルラージュの目的は以下の通りです。
■「オイルをマッサージする肌に塗り広げる」
■「オイルや精油を皮膚に浸透させる」
■「気持ちを鎮静・安心・リラックスさせる」
■「皮膚を温める」
■「充血やむくを解消する」

エフルラージュのコツ
 軽擦は手技的には簡単ですが、密着・リズム。これらが上手にできればマッサージの初歩的なことはマスターできたと思っていただいても結構です 。

「ゆったりしたスピードで行う」

「一定のリズムで行う」
 バラバラのリズムで行うと受ける側も無意識に呼吸が乱れてしまうことがあります。

「手のひら全体を肌に密着させる」
 これが大事です。この人は手が大きいなと思わせるのが気持ち良いマッサージといわれます。

「圧は体重で調節する」
 手技の基本です。お客様から少し強くとか少し弱くなどの要望があることもあります。握力や腕力で調節すると施術する側の体を痛めてしまいます。私の知り合いも握力で圧を加えていたために親指の付け根が痛むようになり痛み止めの注射をしながら施術をしてたエステシャンがいました。無理な体勢で押さえるために腰や脚を痛める人も結構いらっしゃいます。今日はハンドマッサージなので座って向かい合って行います。ですので、力加減(強弱)を握力で行わないで、体重で調整する方法を身につけてほしいです。
 11月にフットマッサージのセミナーを行いますが、そのときは立って行いますので少し体を動かします。体重の移動の仕方、体の使い方はその際お話しします。圧は体重で調節する。自分の握力や腕力で調節するのではないと覚えておいてください。

「マッサージは端から端まで行う」
 今日は手技が肘まで入りますが、肘までしっかり行わないと、相手はいい加減にされていると感じます。手首から肘までの手技は最後までしっかり密着して行いましょう。
 
Aフリクション

「日本の指圧の揉捏法に近い動きである。アロマテラピーマッサージでは、母指、四指、手根、母指球などを使って、圧力をかけながら、小さい円やらせんを描いたり、前後左右にスライドさせたりする」

 こういった手技がフリクションといわれます。

フリクションの目的は、
■「筋肉組織をほぐす」
■「血行促進、温め、こりや痛みをほぐす」
 軽擦では皮膚表面に手のひらが密着するので、圧が分散します。皮膚表層部にあるリンパや血管に働きかける手技です。それに対してフリクションでは深部に働きかけることができる手技となります。筋肉組織まで届く手技ですので位置がずれてしまうと痛がらせてしまうこともあります。相手の顔色とか表情を見たり、声を掛けながら行ってください。

フリクションのコツ
「指の力だけで行わず体重で圧を調節する」

「指が深く入りすぎると痛みを感じるので、相手の反応を見ながら行う」

「指を立てすぎて、爪があたらないようにする」
 もう少し強くしてといわれて、指を少し立てるときがあります。爪をケアしていれば少々立てても爪はあたらないですが、常に爪が当たっていないかを意識しながら行うようにしてください。

 
Bニーディング
「オイルマッサージ独特の動きで、身体の肉をこねていく。背中や脚などの脂肪や筋肉の多い柔らかいところを揉み解すのに適した動きである」

ニーディングの目的
■「皮膚や脂肪、筋肉をほぐして血行促進し、新陳代謝をあげる」

ニーディングのコツ
「指先でつまむと痛みを感じるので、指の関節は曲げないで、指の付け根からつかむような感覚で行う」

「無理につかもうとすると痛いので、肉がつかめない場合は手を滑らせる動きだけでもよい」

 今日はニーディングの手技は行いません。ニーディングはとても難しい。私たちは“パンコネ”と呼んでいます。パンを捏ねるように太ももやお腹などの分厚いところの脂肪組織を解していく手技です。痩身では必ず行います。

 
Cプレッシャー

「指圧のように母指などを使って皮膚を点で押す動きである。親指の腹を使ってツボヤ筋肉を押して緊張を緩める動きがある」

プレッシャーの目的
■「ツボを刺激することで身体の自然治癒力を強め、コリや痛みを軽減する」
■「気の流れをよくする」

プレッシャーのコツ
「いきなり押さずにゆっくりと押していく(押すというより指を沈める感じ)」
 ゆっくり指を沈めていく感覚です。急に押すとびっくりしてしまいます。ふくらはぎを急に力強く押されたためにこむら返りを起こす人もいて、何のためにマッサージを受けるのかわからなくなってしまいます。注意してください。

「指先の力で押さず、体重で圧を調節する」

 何度も言っていますが体重移動で押してください。

「押すときにはゆっくり息を吐きながら行う」

 ハンドの場合はわかりにくいかもしれませんが、背中のツボを押すときやお腹のマッサージをするときは、お客様の呼吸が体の膨らみでわかります。吐いているときにグーと沈めていく。自分が押すときに息を吐くことを意識してください。

「指を離すときもいきなり離さず、押していったときと同じスピードでゆっくりと離す」

 三秒かけて押して、三秒間静止し、三秒かけて離していく。これが基本です。高齢者に行うときは感覚が鈍いので五秒くらいにするなど、受ける人に合わせてください。
 

 これらの4つが基本の手技です。本日はニーディングの手技は行いませんが、エフルラージュ、フリクション、プレッシャーをしっかりマスターするだけでも気持ちよいマッサージとなります。

 アロマテラピーのマッサージはあん摩や指圧とは全く違います。緩やかで包み込むようなマッサージが特徴です。エステで行っている痩身のマッサージとも違います。これからいろいろな方にマッサージをすることがあるかと思いますが、アロマのマッサージはとても優しいタッチのマッサージですよとお伝えしてください。普段指圧やあん摩に慣れている方の中には、アロママッサージが物足りなかったと感じられる方もいます。しかし、それほど力を強く入れて揉んだりしなくても、アロママッサージに十分効果があるのは精油などの材料の手助けによるものです。精油には血行を促進する作用やコリをほぐす作用、鎮痛・鎮静の作用もあります。力強い手技のみで無理やりほぐしたりしないというのがアロママッサージの基本の考え方です。